「確かに周りにあまり男の方がいなかった
のは本当ですが…なんでそれを?」

信長様が囁いてきた時にいかにも知った
風に言うので、引っかかったのだ。

「もちろん、私が気に入って傍に置こうと
思う者について調べるのは、当然だろう?

ボソ

…過去も、すべて。な。」

「え?」

今、何か言われたような気がするけど。
気のせい?

そんな私をよそに、いきなり信長様は爆
弾発言をした。

「何を呆けておる、凛。

そうか!もっと抱きしめてほしいのか。
それでは人払いをしよう。」

「はいっ!?」

思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

「料理を並び終えたら、全員下がれ!」

私に構わず指示を出している信長様と、
必死に誤解を解こうとする私。

「いえ、信長様、そのようなことは…!」

「恥ずかしがるな!どうせいずれするつも
りだったしの。」

結局私の努力も実らず、無駄に広い広間
には信長様と私だけとなってしまった。


まあ、取りあえず今は…

「あの、もう放して下さい…」

そう、さっきから私の肩を抱いたまま放
す気配のない信長様。

「御酌。出来ませんが?」

そして、苦し紛れの言い分を言うだけ言っ
てみた。