「いや、俺はちゃんと見たんだ!」


あいつは絶対おかしい俺はそう思うしかなかった。

だってあいつがおかしくなかったら、俺がおかしいことになるから。



「とにかく大水の正体は、俺が暴いてやる!!」


「そんなの無理に決まってるぜ?なにもないよ、あいつはただの人間なんだか…」




ガラガラ



!!?



突然前のドアが開いた。




「あ…。」


俺は一瞬で固まった。






大水 桜だ―







「筆箱を忘れて…。」



「これか?」


机をあさって筆箱を差し出すミツ。



「うん。ありがとう!」



桜はそう言って笑うと行ってしまった。




「おい涼!あいつのどこが変なんだよ!!別に普通の女の子じゃんか!」



「……。」


ミツの顔を見たらなにも言えなくなった。










それからしばらくの間俺が大水を変人扱いするのはやめていた。




大水を変人扱いすればするほど俺が変人だと思われるからだった。