鳥の鳴き声がする…。ひょっとして…あれは夢だったの…?
ぱっと目が覚めると雪斗はいなかった。

でも雪斗の声がかすかに聞こえる…玄関のほうからかな。

ベッドルームからちょこっと顔を出すと玄関にいる雪斗が見えた。
そしてさっきまでかすかに聞こえた声が大音量になった。

「未来…。好きだから…」

「あたしも好き…」

え…。未来さ…ん…。

雪斗の後ろにいたのが綺麗で大人な未来さん…。なんでなの…。

「でも今日は帰れ…。中に俺の妹いるんだ」

「嘘。妹って言って実は彼女なんでしょ?」

妹…あたし…妹なの…?

「違うから。また連絡するから今日は帰れ」

雪斗が玄関を開けた。

「っ…」

外からきた風邪があたしの顔に…

外の空気なんて…気持ち悪い…。

「わかった。さよなら」

パタンッ

未来さんは帰っていった。あたしは雪斗のもとへ駆け込んだ。

「…優季」

「あたし…妹?」

「悪い…未来の前では妹のふりしてくれないか?」

な…さいっ…てい!

「嫌だよ!なんであたしが妹役なんか!」