朝、目が覚めたら彼の姿がなかった。
「ゆき…と…雪斗…?」
どこ行ったの…雪斗…。
カチャ…
ドアの音…雪斗なの?
あたしはドアがパタンと鳴ったのを確かめて玄関に駆け込んだ。
「雪斗…?」
「どした、優季」
やっぱり雪斗だった。よかった…
「コンビニ行ってた。はい、まずそうなバニラアイス。」
「まずそうなって言わないで!でもありがとう。」
バニラか…。
そういや最近新発売ばっかの食べてて普通のバニラ食べてなかったなあ…
「うまいか?」
「美味しいよ。今日は未来さんのとこ行かないの?」
「いかない。今日は仕事は休みだ」
「じゃあ…あたしの相手してよ。いいでしょ?」
雪斗はため息をついてこう言った。
「お前はまだ子供だろ?そういうこと言うな。」
「そっちこそ!そういうこと言わないで」
あたしは子供扱いされるのが一番嫌い。
「…っ…なんでよ」
頬に涙が流れた。
「泣くなよ優季。やっぱお前は子供だ。
欲しくても買ってくれないからごねる、お母さんを困らせる子供のようだ」