「また新発売されてた。コーヒーのアイスだって。」

「ありがとう…。雪斗今日早かったね。なんで?」

彼は顔を下にした。

「急に未来(みく)が帰るとかほざいた」

未来…さん…。未来さんは雪斗と付き合いが長い。
逢うたびいつもあーだこーだやっている。

「未来さんて彼氏とかいるの?」

「…いるよ」

いるんだ。いるのにそんなこと…あたしには絶対考えられない。
最低だよ。彼氏さんに失礼だよ。

「優季…アイスこぼれてるぞ。やっぱカップのほうにしとけばよかった。
子供だな。お前は未来とちがって」

「…子供扱いしないで。雪斗なんて嫌い」

雪斗があたしに近付いてくる。

「ん」

雪斗があごを出して来た。

「え?」

「アイスだよアイス。アイスくれよ」

「あ、あー…アイスね。でも甘い物嫌いでしょ?」

「コーヒーだから食べれる」

あ…なんだろ…なんか雪斗可愛いな。初めておねだりしてきたし…
雪斗にアイスをあげたらやっぱりまずそうな顔をした。
このアイスちょっと甘過ぎるね。