戸を閉めても声は聞こえる。

「なんで…なんで来てくれないの?お金前よりももっとあげようと思ってたのに…」

「悪いな。」

「悪いなじゃないわよ。ばか…」

「泣くなよ…優季。ちょっとこい」

あ…たし?なに…

泣いてるところ見られたくないから呼ばれてもいけない…。

「優季…。未来部屋にいれるけどいいか?」

「う…ん…」

雪斗の声が近付いた。雪斗はあたしが泣いてることを知ってベッドルームの前で声をかけてくれた。

「未来…やめろ。妹がいるんだ」

「やめない…あたしともうキスしてくれないの?」

やだ…やだやだやだやだ…

いますぐにでもベッドルームから出ていって未来さんをとめたい。
でも勇気がない…

「優季…なあ優季…」

「優季ちゃん。いまから雪斗とやるからさっさと出ていって?」

未来さん…最低…。

「未来!!」

あたしは戸を開けた。

「未来さん!あたし雪斗の妹なんかじゃない!あたし雪斗の彼女なの!」

「はあ?なに言ってんの?優季ちゃん」

彼が未来さんの肩に手をおいた。

「悪いな。未来…そういうことなんだ」