たまに彩雅と女の子の会話が聞こえてくる中で平常心でなんていられない。


でも、次の会話が耳に入ってきてァタシはさらに平常心でいられなくなった。


「彩雅君って彼女いるのぉ??」


「いねぇよ??」


……えっ??


「ウソ?!こんなにかっこいいのに??なんで??」

女の子が本気で驚いた声を出している。


ァタシにも理解できなかった。
あの子とヨリを戻したんじゃないの??別れたの??


いつの間にか2人の会話を聞こうと必死になっていた。


「高校のとき付き合ってた女が忘れられねぇの。すっげぇスキだったのに不安にさせて追い込んで俺の元から離れていったんだよ。彼女に振られてから誰とも付き合ってねぇんだ。」


ウソ…。


気がつくと彩雅の視線がァタシへと向けられていた。


「ひっどい彼女だね。」

ズキンッ


「そんな女早く忘れなよ。アタシが忘れさせてあげよっか??」

女の子が彩雅の腕に自分の腕を絡め始めた。

その光景を見たくなくて勢いよく立ち上がったと同時に「悪いけど、お断りだ。俺は彼女しか要らない。」


その言葉はまっすぐァタシの顔を見ながらァタシに言ってくれたように感じられた。