「もしかして俺の事好き?」
「好きでも嫌いでもない!もういい!心配して損した!」
帰ろうとする私に遼平は声かけた。
「園原…この木の下に来てみ」
私はしぶしぶ木の下に向かった。
遼平は木の下に寝転がっていた。
少し離れて遼平の横に座った。
「園原…空見上げてみ」
私は空を仰いだ。
「あっ!空が見える」
「だろ?この間まで真っ黄色だった空が最近すかすかなんだ。そろそろ葉も全部落ちてしまうんだろうな」
「何だか寂しいね」
「ああ…」
2人は黙ったまま空を見上げていた。
次の日の朝、遼平はいつも通り家の外で待っていた。
「おはよ」
「おっす」
「今日は自転車じゃないの?」
「パンクした」
2人は歩き始めた。
「今日もあそこ行くの?」
「ああ」
「私も行っていい?」
「ああ」
「じゃあ放課後ね」
帰りの約束をして別々の教室へ入っていった。
放課後…
靴箱にもたれて遼平が待っていた。
「ごめんね」
「別に」
学校を後にしあの場所へと向かった。
2人、木の下へ腰掛けた。
「あーあ…また散ってる」
私は空を見上げた。
「ホントだ…」
「俺さー、こいつが最後の一枚落とすまで見守りてーんだ」
「そっかぁ…何だか寂しくなっちゃうね…クシュッ」
「おい、大丈夫かぁ?最近寒くなってきたから体…気付けろよ」
「平気。ただのくしゃみ。ねぇ私もこの木の葉っぱが落ちる最後まで見届けていい?」
「いいけど風邪はひくなよ。また俺のせいになったらマズいからな」
「分かってる、大丈夫。私がそうしたいだけだから…」
それから毎日私たちは木の下へ向かった。