「大丈夫かぁ?俺のせいやなぁ…悪かった…」
「挑発に乗った自分が悪いのよ。それより授業は?」
「サボリ…先生に聞いた。心臓悪いんだってな」
「…………」
「ごめんな」
「もういいよ」
「これからどうすんの?早退?」
「そうするつもり…」
「俺も早退しよ」
「何で?元気ピンピンしてるじゃん」
「送ってく」
「いいよ。一人で帰れるから」
「こう見えても責任感じてるんだぜ。送らせろよ」
こうして2人で帰る事となった。
帰り道…遼平は自転車を押し私と並んで歩いていた。
「そう言えば自己紹介してなかったな…俺…」
「篠原遼平くん…でしょ?」
「何で俺の名前知ってんの?」
「あみから聞いた。竜也くんと幼なじみなんだってね」
「そっか…知ってたんや」
「私は園原奈央…今日は送ってくれてありがとう」
「もとはと言えば俺の責任や。送るのが当然や」
「意外と優しいのね」
「意外ってなんや。」
たわいない会話をしていたら家の前にたどり着いていた。
「ホント、今日ごめんな」
「だからもういいって」
「じゃ」
「うん」
遼平は自転車にまたがり帰って行った。
私は後ろ姿が見えなくなるまで見送った。
次の日の朝家を出ると遼平が自転車を止め立っていた。
「おはよ」
「おはよう…どうしたの?」
「昨日の今日だからまた倒れるといかんと思って一緒に行こう思って待ってた」
「……ありがと」
2人はとぼとぼ歩き始めた。