「ただいま」

慌てて母親が駆け寄ってきた。

「もう、ムチャな事して…大丈夫?」

「大丈夫」

「一応熱はかって…はい」

そう言って体温計を渡された。
熱は微熱のままだった。



「お母さん、私…手術受けようと思う」

「ホント!?」

「うん、もう決めた!」

そして私は手術を受ける為に入院する事となった。
学校へ休学届を出しに行った帰り靴箱で遼平と逢った。

「休学するのか?」

「うん…寂しい?」

「そうだな…」
遼平にしては意外な返事だった。

「俺、待ってるから…」

「うん、来年絶対帰ってくる。そしたらまた逢おうね」

そして2人は分かれた。
今日は朝から入院の準備をしていた。

「よし…」私は最後に遼平から借りたイチョウの葉の御守りをポケットへ入れた。

私は両親と共に隣り町の病院へと向かった。
入院の手続きを済ませ病室へ案内された。

パジャマに着替えてベッドに横たわった。

遼平から借りた御守りをそっと枕の下に忍ばせた。
しばらくして看護婦さんが入ってきた。

「園原さんですね。担当ナースの柊です。よろしくお願いします。早速だけどちょっとした検査があるのでいいかな?」

「あっ、はい。大丈夫です」

私がベッドから起き上がると両親も立ち上がった。
「じゃあ…お父さんとお母さんは帰るね。看護婦さん奈央をよろしくお願い致します」

そう言って深々と頭を下げた。

「じゃあ、また来るから…」

「うん」

両親は病室を後にした。
「じゃあ園原さん行きましょうか?」

「はい」

私は検査室へと向かった。レントゲンをとり心電図をはかり…既に一時間が過ぎていた。

「ふぅ」

私は病室へ戻りベッドの中に潜り込んだ。