「でも、外せないなら俺から母さんに伝えておくから」


 幼馴染の関係の二人にやきもちをやき、帰ると言った。でも、流石にこのままこの部屋には居づらかった。少し頭を冷やしてこようと思った。


「そうする。ごめんね」


「いいよ。強引に誘ったのは俺だから」


 彼は笑顔でそう言ってくれた。


 彼に家の前まで送ってもらう。


 そのまま彼の家を出た。


 だからといっていくあてがあったわけじゃない。


 近くをふらっとし、家に戻ることにしたのだ。


 人気のない住宅街で足を止め、がくりと肩を落とした。


「何をやっているんだろう。バカみたい」


 今まで憧れだと言い張っていたのがことが嘘でしかなかったと思い知らされたのだ。


 おそらくずっと彼のことが好きで、こうしたことでも嫉妬してしまうんだろう。本物の彼女でもないくせに。


 近くに公園を見つけた。そこで時間でもつぶそうとしたときだった。