「映画とか字幕なしでも大丈夫なの?」


「分からないときもありますけど、大体は」


 その言葉に興味が湧いてきて、私は持っていた英語のテキストを彼女に渡した。


「読んでみて」


 彼女は戸惑いがちにそれを受け取り、さっと読んでいていた。


 彼女の英語の発音は私なんかよりもすごく綺麗だった。



比べること自体が間違っている。


何か一つ得意な物があるってすごい。


私には人より優れているものなんて何もないから。


 私は彼女に英語を教えて貰うことになった。宮野君は自分の勉強をしているみたいだった。


 彼女はポイントを押さえて解説していく。