階段をあがって彼女は奥に行く。そして、ドアを開けていた。


 ののかちゃんが部屋の中に入ってから私も入る。第一印象はすごく広い部屋だということだった。


私の部屋よりも倍くらいあるような気がする。


 彼女は宮野君の机の前に行くと、本を手に取る。


 そして、私に深々と頭を下げる。


「私は帰りますね」


 立ち去りかけた彼女を呼び止めていた。


「よかったらもう少し一緒にいてくれないかな」


 彼女はじっと私の顔を覗き込む。


「緊張しているんですか?」


 今の状況を言い当てられ、とにかく頷く。


 ののかちゃんは笑顔を浮かべていた。


「分かりました。でも、お邪魔だったらすぐに言ってくださいね。すぐに帰りますから」