「本を取ったらすぐに帰るから」


 彼女は私に頭をさげると、持っていた本を玄関先に置く。


 靴を脱ぐと、置いてあったスリッパに履き替える。


「こっちです」


 今日の彼女は薄い桜色のワンピースだった。


その長さは膝より上で、そこから細く長い手足が覗いている。


彼女は背丈は小さいが顔も小さく、手足も長い。


だが、子供体型というわけでもなかった。彼女の柔らかそうな髪が、より軽やかに見えた。