二人の関係は私なんかが想像もできないくらい近いんだと二人の様子を見て、そう感じていた。


「まあ、よく分からないがよかったな」


 彼は本をののかちゃんに突き返す。


「よく分からないはないです」


「そういえば、この前借りた本を返すの忘れていた。部屋から持って帰っていいよ」


「分かった」


 そのときののかちゃんの視線が部屋の中に向く。


 私を見て、彼女は固まってしまっていた。


「武井先輩?」


「ああ、成績が悪くて勉強を教えてやることになったんだ。ついでに部屋まで案内してくれない」


「いいけど。お邪魔なら私帰るけど」


「そんなことないよ」


 宮野君は笑顔で彼女に語りかける。