家に帰ると、濡れた身体を温めるように
言われた私は素直に湊の言うことを聞いて
お風呂に入る。湊の匂いで溢れるお風呂場
は、温かくてつい長居してしまう。
のぼせる前にお風呂場から出ると、湊が
温かいココアを入れてくれた。桐もココア
を飲みながらくつろいでいる。
「二人は入らないの?」
「う~ん、俺は入ろうかな。」
「お前は俺の後。」
そう言って湊は浴室に行ってしまった。
まるで、さっきのことを、桐と話せと
言うように。
「鈴?」
桐が突然話しかけるものだから動きが
止まる。
「何?」
わざと知らないフリをして見る。
「あのさ、」
その言葉にさっきの出来事を思い出す。
「ごめん。」
何も悪くないのに、桐が謝るものだから
言葉が出ない。
「・・・・どうして。・・」
やっと言葉に出来る覚悟を決めて、
言葉にする。
「どうして、桐が謝るの?」
そう言った私をはっとして見る桐に
問いかけるように言った。