何時間経ったかなんてわからなくて、
頭に浮かぶのは、湊と桐のことばかりで
もう帰ってきているはずで、心なしか
来てくれるんじゃないかと、思っている
自分も居て嫌になる。
今、会っても二人になんて言っていいか
わからなくて、桐には、傷つけるようなこと
言ってしまうんじゃないかとか。マイナスに
考えってしまう。そんなふうに考えていたか
ら、まさか本当に来てくれていたなんて、
全く持って思ってなくて、湊の声と、
桐の声が聞こえたとき、驚いて声も出なかった。
「鈴ーどこいんだよ。おーい。」
「鈴。」
湊に見つけられてしまった。
「見つけた。探したんだよ。」
「鈴心配させんなよ。まじで焦ったから。」
「・・・・・・・」
「鈴?」
「・・湊なんで?何でここに居るってわか
ったの?怒ってない?」
「鈴。」
そう言うと桐は気を利かせたのか穴から少し
離れた、砂場の屋根の方に行った。