そのまま手を引かれるように湊のエスコート

にドキドキした。

私、湊の飼い猫だった。

最近思うんだ。

湊と居ると何か変だ。

自分じゃ、絶対しない行動を取ったり

私何したいんだろう?

喋るのでさえ息苦しさを感じる。

湊って不思議と居心地はいいけど、

最近はちょっと息苦しくなる。

「鈴、前見て歩かないと転ぶよ。」

これじゃ、親子のやり取りにも近いよ。

湊がお父さんとかちょっと笑っちゃうな。

雰囲気も見た目も大人っぽいけど、

ホントは結構子どもっぽいの私は知ってる。

やっぱりヒールのある靴は私を困らせる。

「お嬢さん。」

いきなり湊とは、反対側の腕を捕まれる。

「何?」

それはどこからどう見ても・・・桐。

「何ってひでー!!」

いじけるまではいかなかったけど、

落ち込んでいる桐に何だか、勝手に

笑ってしまう。

「桐、気使ってくれてありがとう。」

昔なら、きっとごめんとか言って

たと思う。

でも、最近は感謝することを覚えた。

「何言ってんだよ。俺は、ただ手が

あいてただけだ。」

そっぽを向きながら照れてるの私

知ってる。

桐の癖ってヤツだと思う。

照れるとそっぽを向くんだ。

「ふふ。」

桐がと湊に挟まれてちょっと幸せ。

「鈴?」

隣で嬉しそうだけど、どうしたの?

という湊に自分が笑ってるのに

気付いた。