缶ジュースをゴミ箱に片付けて、
ぼーっとする。
今まで、こんなに動揺したことなんて
ないと思う。今回はホントに自分でも
驚く。湊に抱きついた私はホントに弱くて
何やってるんだろうと思う。
時計はまだ3時。今日はいつになく長い。
頭が冷めたところでみんなを置いてきた
ことに後悔をしてケータイにかける。
2コールぐらいで出る。
「・・はい。」
聞えた声はやっぱり落ち着く優しい声。
「湊。」
「うん?」
「今どこ?」
「どこだろう?ちょっと待てて。」
そのマイペースさにいつも救われた。
「湊。」
キョロキョロして辺りを見る湊に後ろから
背中に抱きついた。
「・・鈴?」
「うん。」
「良かった。みんなで手分けして探してて。」
「うん。」
「このまま居なくなりそうで。」
「・・・・・」
「心配して目の前が真っ白になって。」
「・・うん。」
「急に怖くなった。」
「うん。」
顔を見えなくてもわかる。
不安そうな顔をしている。
私は大切な主人を傷つけた?
「ごめんなさい。
でも、居なくならないよ。
私のご主人様は湊でしょ?」
抱きついた背中から少しずつ
離れるとぐんっと急に引っ張られて
目の前が急に暗くなった。