「湊。ちょっとだけぎゅってしてもいい?」
弱さを隠しきれるわけもなくそれでも心は
晴れるわけでもなく頼るのは甘えたくなる
心を必死に隠しながら言ったその言葉だった。
「・・うん。いいよ。」
ニコッと笑う湊は手を広げる。
どこまでも優しいこの人を私はきっと
大切にして傷つけないことを誓います。
ただ泣きそうな私にはまだ見つからなかった。
空はどこまでも偉大だ。
大きなその広さを私はまだ全然知らない。
見えることにしか分かっていない私は
きっと自分を守ることに必死だった。
ぎゅっと握り締めたシャツが皺になる。
湊の顔は見えないけど、きっと微笑んでくれている。
私が落ち着くようにきっと心配もして
くれている。
私にはもう心の中のものがごちゃごちゃで
意味もなく可笑しくなりそう。
「鈴。」
その声は魔法のように私を落ち着かせた。
「・・ごめん。ちょっと頭冷やしてくる。」
湊からゆっくりと離れみんなを前に
私は少しずつみんなから離れる。
空の青さは私をバカにするように
広がり、みんなを照らす太陽は
ぎらぎらと空を照らした。
その空はいつもにまして眩しくて
瞬きをしなければ見れそうもなくて
私の上に広がった。
空は心地良さそうに今日と言う
日を照らす。
その偉大さに誰もが気づかない。
普通っていつもあるってそう信じ
続ける人間を愚かに思う。
空だっていつかは泣きたくなるんだ。