次の日、荷物を家から持ってくるため

家に帰ることにした。湊も今日は用事

で家を離れるそうだ。夕方には帰るから

とのことだから、帰ったら湊の帰りを

桐と待つことになった。

「で、何で桐が私についてくるの?」

「うん?暇だから?」

「・・・・・・」

早くも憂鬱な気分になる。

電車に揺られること数分、家の近くの

駅におりる。もちろん桐も一緒だ。

「・・・・・・・」

「ここ?」

「・・・・うん。」

家に着くなりため息が思わず出た。

「綺麗な家じゃん。」

「捨てた家だもん。もういらない。」

困ったようにまゆを寄せ気をつかっている

桐。

「親?」

「・・・・・・・・」

図星。何もいえなくなるところ、桐に

ばれてしまいそうだ。