もう、こんな時間か……
休憩室に入ると真っ先に目に入ってくる掛け時計は、3時を過ぎようとしていた。
さっきまで馬車馬のように働かされ、作り笑顔をしていた頬がひくついている。
今日は日曜日。
オープンしてから客は引っ切りなしにやってきた。
しかも7割方が若い女。
平日はそうでもないが、土日は色んな年代がやって来る。
きゃぴきゃぴした声が大の苦手な俺からしたら、かなり苦痛な時間だった。
これから閉店の9時までは、その年齢層は次第に上がり、いつもの落ち着いたラリックへと姿を変えるはず。
「はぁぁ…」
疲れた……
ロッカーから取り出したケータイを覗くと、今日は休みを取っている悠紀からのメールが入っていた。
“今日は美紀ちゃんと動物園デート”の文面に苦笑が漏れる。
いちいち報告すんなっつぅの……
いくら晴れているとはいえ、冷たい風が吹いてる外を、わざわざ出歩く悠紀の気がしれなかった。
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