「あと……」






まだ何か言いかけた朋歌を止めたのは、ちょうどやって来たバスだった。





今度はなんだろう……





絶対いい話じゃないよね……





まるで護送車に乗るような気持ちで、あたしは朋歌のあとに続く。





そして空いていた席にどっかり腰を下ろした朋歌は、目だけで早く座れと促してきた。





ううう…… いちいち顔が怖いよ〜





恐る恐る腰を下ろした途端、がばりと肩を組まれてまたビビる。





ひぃぃぃ!!






「アンタさ……覚悟は出来てんの?」





小声なのにドスが効いてる声に、背筋が凍った気がした。





覚悟って………まさか制裁!?





あたし、何されんの……






今すぐにでも逃げたしたいのに、扉を閉めたバスは、無情にも小さく揺れて発車した。





「……ちょっと、なんで黙ってんのよ」



「い、いや……」





なるだけ体を離そうにも、首には朋歌の右腕ががっしり巻き付いてるし。





「覚悟って、何をすれば…」





半泣きになりながら、横目で視線を送るあたし。





狼に捕らえられた子羊の気分。





すると朋歌は、今までで一番冷たい微笑を浮かべて囁いた。





「(ピー!)とか……(ピー!)とか……」






そう、公共の場では決して口にしてはイケナイ、Hな言葉を。






………ぬおっ…///






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