「…伊佐美ー、あんたの気持ちも分かるけど、斉藤健太は」

「『斉藤健太は高坂君の友達だから大丈夫』でしょ?」

私は明菜の言葉を遮って続けた

「……伊佐美~」

明菜が不満そうに私を呼ぶ

わかってるよ

健太はあいつと違うって

でもね、

それでもね、



“何?二股されたのそんなにショック?”

“お前も好きとか言って欲しいタイプだったんだな”

“面倒くせーもっと賢いかと思ったら見かけだけじゃん”

“お前といると疲れる楽しくねぇんだよ”


思い出す あいつの言葉


斉藤健太…あたしはあんたをどこまで信じていいの?

私は窓の外にむかって一人呟いた