ドンッ


やっとのことで動いた体で思いっきり男を押した


だけど思ったより男の体は動かなかった



「もうちょっと飛ばされると思ったんだけどな
 意外と力、ないんだな」


「どうでもいいじゃん」


「まぁな、それに女を泣かす趣味はねぇから」



あたしの目にはたくさんの涙がたまっている


気づかれないようにがんばっていたのに


どうしてそこまで見るの?



「俺は田嶋遼、3年だ」



そう言って保健室から出てった