~鈴子~ 「鈴子、好きだよ」 健太の伸びてくる右手が好き。 いつも最初は私の首の後ろに手を回し、抱き寄せる。 その後は、もう健太に身をゆだねるんだ。 綺麗な夜景を見ることも忘れて、たくさんキスをした。 キスをしながら、目を開けると、夜景を見ることを許してくれない健太がいる。 夜景を見ようと目を窓に向けると、遮るようにまた唇を近づけた。 健太が好きだよ。 付き合ってから、毎日健太への愛が増えていくのがわかるんだ。 でも… 気になってしまった。 私達より一台後ろの観覧車に乗る隆介が…