~鈴子~ 私達の野球部は、今までの歴史の中で一番強かった。 あと、ひとつ あと一勝で…甲子園に行ける。 健太と隆介のWエースの存在で、失点は毎試合最小限に抑えられた。 得点力は並だったけど、3点取れば勝てる…そんな自信がみんなを強くさせた。 「明日、笑ってお前にボールを渡すよ!」 「完投しろよ!健太!俺は甲子園で投げるまで休んでおくから」 運命の試合を明日に控えていた。 大好きな健太と隆介の会話を聞きながら、私はボールを磨いた。