私はその日、久し振りにいい気分でソワレに行った。
今日は作業がはかどりそうな気がする。


私が店に入ると亜由美が先に来ていた。

「凛！今日はいい顔してんじゃん！」

亜由美は笑顔で迎えてくれた。

「そう?」
「昨日、慶たんを抱っこしたまま寝てたもんねー。そんなの亜由美もしたことないのにぃ。そりゃ幸せでしょうよっ！」

昨日、泣き疲れて眠ってしまった私を家まで送ってくれたのは亜由美だった。

「本当に昨日はゴメンね。」
「ぶっちゃけ、許したくはないけど……明日、学食おごってくれたら許す！」

亜由美は私を睨み付けながらニヤリと笑った。

「はい。すいません。」

私が大袈裟に頭を下げると、
「で、なんかいいことあったの?」

と、亜由美はニヤニヤして私の脇腹をつついた。

「あ！あのね、今日いきなりクラスの優奈って子が話掛けて来てくれてね、私の家にも人形いるよって。」
「へ！?優奈って……あのロリちゃん?」