ようやくそれらしい場所にたどり着いた時には、亜由美はもう選び終っていて、

「じゃあ亜由美、隣のお店でお茶してるねー!」

それだけ告げると、大きな買い物袋を抱えて行ってしまった。

二人で来た意味ないじゃん。

手伝ってくれると期待はしてなかったけど、それでもがっかりだ。

そんな事を言っても、待たせるわけにはいかない。

わたしは急いで自分の目当ての生地を探し始めた。

どれが適切かわからないから、とにかく一つ一つ手触りを確かめて決めて行く。

こんな調子でいいのか不安だけが募っていくけど、慶太がこうやって私にいろいろ知る機会を与えてくれてる事に感謝した。