もうこの際、出来上がらなくてもいい。

慶太の為に何かしてあげたい。

自己満足だったとしても、絶対に後悔はしたくないんだから。

そう---

慶太は私を変えてくれた王子様--

優しくて、美しくて、そして強くて--

こんな私に微笑んで手を差し延べてくれる--


私が待望んでいた王子様--

私の脳内では、イメージがどんどん鮮明になっていく。

滑らかな白のブラウスに、ヒラリとひるがえる長いコート……その中には、身体にピッタリしたベストが見える。

まさに王子様スタイルだけど、驚くほど慶太に似合う。

これしかない!

そう決意した私の心の中にはいつまでも、白い馬の傍らで笑う慶太がいた。