「凛~!ちょっと聞いてよ!」
いつものように、凄い勢いでドアが開いてベルがなる。
私は、ゆっくりとコーヒーをすすりながら亜由美の方を見る。
「超最悪!!!さっきさ、男友達からいきなり告られて!!」
亜由美は、荒っぽくマフラーを外して鞄と一緒に机に叩き付ける。
「いーじゃん。モテモテだなぁ。」
「良くないよっ!面倒!超面倒!ぶっちゃけ、亜由美は慶たんさえいてくれたらいいの!」
亜由美はブスッとした顔で慶太の指定席にいってしまった。
確かに亜由美はモテる。
私と知り合って数週間でもう3回目の告白。
それも全部
『超面倒』
と、拒否していた。
何が面倒なのか、経験が少ない私には解らない。
というか、彼氏を作ってしまえば男の子は遠慮して寄り付かなくなるんじゃと思う。
「おかしいねえ。」
私は、携帯の待受画像にしている慶太の写真に向って呟いた。