「いらっしゃぁ~い!」

亜由美の明るい声が響いた。

さっきの亜由美とのあまりの違いに私は驚いた。

「あの…邪魔しちゃってごめんなさい。」

私の声は亜由美には届かなかったようだ。

「亜由美ね、慶たんの目が一番好きなんだぁ。見て見てぇー!!」

そう言って亜由美は私の腕を掴んで引っ張った。

強く引っ張られて、私は前のめりに床に倒れ込んだ。
そんな私をお構いなしに亜由美は一人でしゃべり続けている。

「唇だってね、超キレイだよ!肌もすべすべで気持ちいいの!」

私は、苦労して亜由美の手から逃れてやっと顔を上げることが出来た。

すると、私の視界に小さな靴をはいた足が飛び込んできた。

そして、そのまま視線を上に移していく。

ツイードのズボン、お揃いのジャケット、美しいフリルのシャツ。

大きく開けた口から、思わずため息が出た。