そう口にしたとき、自分の声があまりに力強くて驚いた。

洋子さんは、目に涙を浮かべて

「ありがとう。」

と笑った。

「凛……よかった…。」

優奈も、ハンカチで目元を押さえている。


「どうなるか分からないけど、有紀さんのためにも、亜由美のためにも頑張るね。」


――慶太…これから、私と一緒に生きていこうね。

そばで見てくれている有紀さんを、いっぱい喜ばせてあげなくちゃね。



これから、きっと私の生活は大きく変わっていくだろう。
でも大丈夫。
きっと何があっても絶望しないよ。
慶太がいてくれるから。


12月25日。

新しい私の歴史の始まりだ。



床には、亜由美が作った三角帽子が一つ転がっていた。