亜由美が照れくさそうにはにかんだ。

本当に今日は冷える。
マフラーの隙間から、冷たい空気が忍び込んで思わず身震いをする。

ここで長々と立ち話が始まる前に帰らないと、本当に風邪をひいてしましそうだ。

優奈も、そう思ったらしく

「じゃあ、私達はこれで。」
と、切り出してくれた。

有紀さんは、私達の顔を見回して
「また、明日ね。」
と、微笑んだ。

何か、その表情は寂しげで、いつもの有紀さんとは違うような気がした。

気になって仕方ないほどではない、かすかな違和感。
どうしてだか、私はこのまま帰ってはいけないような気がした。

「あの……」

私がそう言いかけると、

「ほら!もう行くよ!」

亜由美が私の腕を引っ張った。