「な……泣くなよ。優奈ぁー。てか、凜までなんで涙目なのよ。」

亜由美は私を見て爆笑する。

「いや……嬉しかったから。なんか……女の子の友情もいいもんだね。」

私がそう言うと、

「てゆーか、あんた、そんな友情に涙ぐんでる場合じゃなくない?時間だけは、いくら愛しい凜ちゃんの為でも、亜由美は操作出来ないよ?」

亜由美は私を横目でチラッと見る。

その時、私はようやくここで話し込む前の段階を思い出した。

ちょっとの休憩のはずだったのに、気付けば1時間以上もここにいる。

これだから女の子は怖い。
話し出すと時間の感覚とか麻痺しちゃうんだな。

無駄な時間でなかったのが幸いだ。

「やばい!やらなきゃ!」
私は慌てて立ち上がると、ミシンに向かった。

背後から、二人の笑い声が聞こえる。

その笑い声に混じって

「なんかいいな。こういうの。」

と、優奈の声がした。