私達がそれぞれに頷くと、亜由美はようやく満足そうに

「でしょ?心の錆でいーじゃん！」

と、ニンマリとした。

「でも、そんないい男の子って槙斗さんや慶太くん以上じゃなきゃ駄目なんだよね。まず、存在するかも怪しいよね。」

優奈がうーんと、腕を組んだ。

「うん…あり得ないね。まず。」
「うん、絶対無い。」

「鍋の錆より無いよね。」

意見が合うようで合わない私達がはっきり意見を合わせて、口々にそう言った。
そして、顔を見合わせて笑った。


「なんか叶わない恋しちゃうと、つい現実的な事考えて落ちちゃうんだよね。結局は他の人に興味ないくせして。」

優奈が笑いながらそう言うと、亜由美も私も同意した。

「でもさ、そんな時は凜や優奈がいてくれるからよかったよ。悩みも口に出しちゃえばこうして笑えるじゃん?」

亜由美は嬉しそうな顔をしている。

「うん、それは私も同じだよ。こんな話、他の人とは出来ないもん。」

「私だって！普段なら、なんで結婚出来ないの?て泣いてた。」

私達はまたお互いを見てクスクス笑った。