「鍋に付いた錆みたいな?!」

私は思わず噴出した。

「ちょっと!亜由美ちゃん……例え悪過ぎ……」

優奈も呆れた顔をしている。

「えー?でも間違えじゃないでしょ?取っても取れないじゃん?……心の錆みたいな?」

亜由美は名言になるはずだったのに、とイライラ机を長い爪でつついた。

「心の錆か……それはなんか鍋より共感できる。」

やっと納得した顔で優奈が頷く。

「きっと私も、例えばいい男の子が現れても慶太は心から絶対取れないもん。」