「それって、男嫌いってこと?」

亜由美がそう言うと、優奈は首を横に振った。

「嫌いじゃないの。好きになれないの。」

亜由美はまだ、理解できないようだ。

「それって……。」

「だぁかぁらぁ、男の子にはなんの魅力の感じないの。私、女の子が好きなの。」

「え……。えぇ???!」

亜由美は驚きのあまり、大げさに後ろにのけぞる。
そのとき、亜由美の短いスカートが、ヒラリとめくれた。

亜由美は、めくれあがったスカートに気付いて慌てて元に戻した。
その様子を見ていた優奈が

「大丈夫だよ。亜由美には萌えないから。」

と、面白そうにクスクス笑った。

「い、いや。それもなんか悲しいけど……。」

亜由美は顔をゆがめて、椅子に座りなおした。

「で、どういう事なの?」

亜由美が改めて言った。

「うん。私ね、小さい頃からずっとかわいいものが大好きで。レースとかピンクとかそういうの。でね、小学校の時に同じクラスの女の子にいたのよ。レースの付いた靴下を履いてる子。それがすっごくかわいかったの。その子に似合ってて。
気付いたら、ずっと目で追ってたの。話し方も、何もかもが本当にかわいくて。
見るたびにドキドキしたの。」