ただ、この恋は一般的には理解してもらえない恋。

叶う事のない、行き場のない想い。

私達はそれを守りたくて、誰かに否定される事から逃げて、でも本当は理解してもらいたくて、こうして言葉一つで気持ちをグラグラ揺らしている。


「分かったよ……でも……」

亜由美は優奈ににじり寄った。

亜由美の表情は見えないけど、優奈は不安そうな顔をしている。

すると、亜由美は優奈の手から雑誌を奪うと、開かれたページをじっと見つめた。

有紀さんは雪乃ちゃんの髪を撫でながら、私はただ突っ立ってその様子を見守る。

すると、

「慶たんのほうがいい男だよ。」

と、亜由美は意地悪な口調で言った。