「あの子……坂口亜由美じゃん!」

私の指差す先を見るなり、亜弥が叫んだ。

「亜弥知ってんの??」

私が亜弥の顔を見ると、亜弥は顔を歪めて

「知ってるっていうか、あの子有名だよ。」

と、嫌悪感の混った口調で言う。

「有名??何??何で??」

ゴシップ好きの恭子が食い付く。

すると亜弥は深刻な目付きで私達を見て、

「これは噂だからね!」

と言って唇に人差し指を当てた。