とりあえずの捜査を終えた宏美さんと俺は、雫の待つ広間へ向かった。



「大した証拠無かったわね…」



宏美さんは、落ち込んだ様子で俺に言った。



「足が簡単につくような奴じゃないですよ」



「雫ちゃんの推察も聞かなきゃね。あれ、雫ちゃん?」




雫は、広間の中ではなく俺達が来た方向と反対側から現れた。
向こう側の様子を見に行ったんだろうけど、なんでだ?




「あ、すいません。探してました?足音を追いかけてたんですけど、見失ってしまいました…」