私は結局、ハムエッグを作った。
おばあちゃんはやっぱり、おいしいって言って食べてくれた。
片付けを手伝うと、「優しいねぇ」と言っておばあちゃんは笑ってくれた。
昔からおばあちゃんは私がすることを何でも褒めてくれて……
おばあちゃんのそんなところも大好きだった。
こんなに素晴らしい親なのに、何でお母さんは一緒にいてあげないんだろう。
離婚までして、親不孝ばかりして……
「……夜深ちゃん」
「あ…」
食器を洗っている途中でぼーっとしてしまった。
「ごめんね。すぐに洗っちゃうからね…」
「ゆっくりでいいよ…洗い終わったら、散歩にでも行こうかねぇ…」
「うん。いいね、散歩。行きたい!!」
私は最後の一枚のお皿を洗いながら、おばあちゃんに
ニッと歯を見せて微笑んだ。