「もう寝ようか」
おばあちゃんがあくびをしながらそう言った。
おばあちゃんは私のために色々してくれたから疲れたんだ。
「お休み。おばあちゃん。」
「お休み。」
私はおばあちゃんが用意してくれた部屋に行き、唯人君に電話をかけた。
おばあちゃんの家に来ること、言ってなかったから……
ーーープルルル…
電子音が耳に響く。
『夜深!?』
唯人君は慌てて電話に出たようだった。
「良かった……。出てくれて…。ごめんね?唯人君、私今ね、マンションにいないの。」
『うん、知ってる。夜深の部屋に鍵かかってたから。電話は通じないし、どこにいるんだよ……』
「ごめんね。携帯の電池切れてて…… 今ね、私…」
『うん』
「……おばあちゃんの家にいるんだ」
『…おばあちゃんの家って、前に住んでた田舎の家?』
「うん。ごめんね。言うタイミングがなくて。ちゃんと言えば良かったんだけど……」
私はちょっと控えめに、携帯の通話口に呟いた。