「よいっしょ」
おばあちゃんの家がある田舎に着いた。
私はボストンバッグを肩にかけておばあちゃんの家まで歩き始めた。
「…重い……」
二日分の荷物しか持って来てないのに……
「ハァ…ハァ……」
息が切れ始めたときだった。
「やーみちゃーん」
遠くから私を呼ぶ声がした。
目を凝らして見てみると、一人。
人がこちらに向かって小走りでやって来る。
「夜深ちゃーん」
「……?」
「ハァ…夜深ちゃん」
「おばあちゃんっ」
おばあちゃんは、冬だというのに汗をかいている。
きっと、家からずっと走って来てくれたんだろう。
「ハァァ~…おばあちゃん、急いで来たんだよ。間に合って良かった…」
「何で、そんなに急いで来てくれたの?」
「荷物が重いと思ってねぇ…。」
「荷物も少ししかないのに…おばあちゃんの言うとおり重くて」