電話に出たおばあちゃんの声は、前よりも少し元気がないようだった。
ーー『もしもし?』
「…あの…こんばんは…私です。夜深です。」
『……夜深ちゃん…?』
「お久しぶりです。お元気でしたか?」
『……久しぶりだねぇ…元気だよ。夜深ちゃんも元気そうで。お母さん達が離婚なんてしたけど、大丈夫かい…?』
「はい。大丈夫です。……あの…それで、お願いがあるんですけど……」
『うんうん。夜深ちゃんのお願いならおばあちゃん、何でも聞いてあげるからねぇ…。何だい?』
「急にだけど、明日、おばあちゃんの家に泊まりに行きたいんだけど……いいですか…」
『……いいに決まってるよ…おいでおいで。美味しいもの、用意しておくからねぇ』
「……ありがとう…じゃあ、おばあちゃんまた明日。お休みなさい。」