二十五日。
町は恋人達でいっぱいだ。
私は、ボストンバッグを持って駅にいた。
今日は唯人君がいないから、久しぶりに田舎に帰る。
こっちに引っ越して来る前にいた……
おばあちゃんの家。
しばらくホームで待って、電車が来たので重い荷物を頑張って運びながら車内に乗り込んだ。
「えーと……ここか…」
私は、指定席の切符を片手に自分の席に座った。
「はぁ……」
おばあちゃんに昨日電話をしたんだ。
唯人君が帰った後。
あの後、唯人君は私に軽くキスをして帰って行った。
それで、その後に携帯でおばあちゃんに電話をかけた。
久しぶりに電話したからすごく緊張したけど……