ダメだ。
私…緊張してる。
「水道借りていい?シャンパンが溢れたら大変だし」
「あ…うん、ごめんね。」
「いえいえ」
唯人君はそう言ってキッチンにある水道に移動した。
その間に私はグラスとお皿を用意してテーブルに置いた。
そして、唯人君の背中を見つめて、一つため息をついた。
ねぇ…唯人君…
私を好きって
本当のこと?
「わーーーーーー!!!!」
「!!」
物思いにふけていたところに、キッチンにいる唯人君が叫び声をあげた。
「唯人君!!!!!」
私はとっさに、唯人君に駆け寄った。
「唯人君!!何かしたの?何か、怪我でも……」
何をしたかわからないけど、唯人君が怪我でもしたら……
私……
「いや、怪我はしてないよ。ごめん…シャンパンが溢れて手にかかっただけ……」
「本当に?」
「本当に」
唯人君が笑っているのを見て、ほっとしたのと同時に
自分が泣きそうになっているのに気がついた。