眺めていた雲が太陽に重なった。
屋上にも影ができる。
「……」
寂しいなんて想い…
どこかに置いてきたはずだったのに……
無理だったんだね。
やっぱり私も人間だから、どこかで寂しいって
感じてたんだ。
それが、唯人君に惹かれるにつれて溢れちゃったんだ。
私はゆっくりと目を瞑った。
あったかいと眠くなるけど
寒くてもなるんだ……
今ここで寝たら、一日中寝ちゃいそう…
「…いっか……それでも…」
唯人君と部屋で会うことはできるだろう。
放課後はダメでも…
太陽が重なった雲から顔を出したのか、閉じた瞳に光が差し込んだ。
そのときだったーー
「夜深!!!」
屋上のドアがバンッと勢いよく開いた。
私は目を開けてその方向をじっくりと見つめた。
「…唯人君……」
また……
来てくれた……