私はキュッと唇を噛み締めた。
これ以上、この口が何を言い出すかわからない。
「……夜深。俺はね?夜深がかわいくて仕方ないんだよ?だから、他の誰に好かれても、夜深が一番だから…」
私が俯いていると、唯人君はそう、諭すように私に言った。
「唯人君……私…ひとりは嫌だよ。」
「うん」
「だから…明日……」
「うん。明日はもちろんひとりじゃないよ。俺がいるから…」
私は唯人君のその言葉にゆっくりと頷いた。
でも、心の中は少しザワザワしていた。
本当は明日じゃなくて
……クリスマスの日に
一緒にいて欲しかったから。
この日は怖くてたまらないんだ。
なのに、唯人君は違う方に行っちゃう。
ひとりにしないで。
寂しいよ。
すごく寂しい。
私が凍えてしまいそうなら
唯人君は、私を温めてくれると思ってた。
でもやっぱり、私は……
誰の一番にもなれないんだ。