言え。
今の気持ち。
唯人君を目の前にするとどくんどくんって
心臓が高鳴るって。
「夜深?」
「唯人君……あの…」
ああ~
もう!!!
「あ…ありがとう……」
「へ?」
ああ……
もう、私ったら…
「私、嬉しいよ。こんな誕生日、初めてだから…」
「……そ?俺は夜深が喜んでくれればそれでいいよ。」
「ふふ」
私と唯人君は顔を見合わせて笑い合った。
「…帰ろうか」
「ふふふ。帰ろ」
唯人君…
ありがとうってゆうのも本心だよ。
でも……
もっと大事なの。
唯人君といると、心臓がチクチクするってこと。
この気持ちが何だかわからないから……
私は唯人君の腕に自分の腕を絡めてギュッと抱きついた。
「今日の夜深は甘えん坊だね。どうしたの?」
「ううん。寒いから。ダメ?」
「いや。逆だね。」
「……あったかい…」
その夜は、雪がチラチラと舞った。
それが今年の初雪だった。
まるで、それは私の気持ちを表すように
チラチラと舞っていた。